2015年11月25日水曜日

「幸せな高齢者として生きる」研修会を実施しました

山崎です。11月21日(土)午後、福山駅北口向かいの宮地茂記念館にて、心理学科附属こころの健康相談室の研修会が行われました。



地域の方々の心の健康に寄与する活動の一環として、2年に1回のペースで開催している研修会。

今回のテーマは「幸せな高齢者として生きる 住民健康調査からの示唆」。
名古屋大学名誉教授・関西福祉科学大学学長の八田武志先生を講師にお迎えしました。

院生のみなさんもスタッフとして頑張ってくれました!



脳の働きと行動のしくみ、高齢者の認知機能などの分野で精力的に研究をされてきた八田先生。

前半の第1部では「加齢にともなう脳の機能の変化」について講演いただきました。



北海道・八雲町の住民健康調査から見えてきた、中高年の脳機能の特徴とは……。



私たちの脳の働きは、歳を重ねるにつれて個人差が大きくなるとのこと。

食生活と適度な運動に心を配る (脳の予備力を高める)。
知的な活動や人とのコミュニケーションを持つ (認知の予備力を高める)。

これらのことが、脳の働きを保つ上での秘訣のようです。



後半の第2部は「脳の機能を維持するには」。

いわゆる「脳トレ」の効果を検証しつつ、高齢者の脳の働きを高く保つために有効なポイントを学びました。



脳はなかなか複雑な構造をしています。Oh, 脳!



「脳トレ」のドリルの類いは、脳の一部を「活性化」させるのには役立ちますが、いつもそればかり、ずっとやっているわけには……。

結局、日常生活の中にある一つ一つの活動を楽しみながら続けること (脳を使うこと) が、実は私たちの脳を生き生きと保つのに、とても役立っているようです!



講演の後半では、実際に脳機能の維持に重要なポイントを盛り込んだ、ちょっとした楽しいワークもありました。

見知らぬ人物の写真を見て、年齢や職業、国籍を [推測] する。
それから、自分の親に言われた言葉を [回想] する。

参加者のみなさんには、配られたハガキの裏にこれらを書いていただきました。


終了後に回収されたハガキは、数日後にみなさんのお手元に返送されます。
どうぞ覚えていてください (^^)


「アンチ・エイジング」ではなく「ポジティブ・エイジング」(老いを前向きにとらえる)。すばらしい考え方ですね!



それにしても、八田先生のお話は、長年にわたり取り組んで来られた研究の知見をふまえた、とても興味深く説得力のあるものでした。

さらに、随所に織り込まれるジョークが絶妙で、内容の理解もますます分かりやすく、引き込まれっぱなしの2時間でした。



日本はいわゆる超高齢社会に突入しています。
「幸せな高齢者として生きる」というテーマは、現代社会を生きる私たちにとって、ますます身近で重要なものになってきました。

私自身もいずれは高齢者 (いえ、まだまだ)。そんな自分も含め、毎日エイジングを重ねているさまざまな世代の私たちにとって、非常に刺激的な研修会になったと思います。




八田先生、会場にお越しくださった参加者の方々、たいへんありがとうございました。

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